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都合よく、書き換える

 どうして、かっこをつけてしまうんだろう。人に見せたくない自分を、うまく隠して、見栄えのいい部分だけを、語りはじめる。そうして、出来上がった実像は、血の通っていない、人形みたいだ。もっと、生身の人間の本心に、辿り着きたい。あなたの本性が、みたい。それは、もしかしたら、醜いかもしれない。えげつない臭いかもしれない。だけど、別に、いい。不恰好な姿であるほど、物語は、真実味を、帯びていく。僕らが、生きていこうとしている世界は、美しいものだけを、見過ぎている。

    ★   ★   ★

・民主主義定食
 なにかに、満足してしまって、既存の出来合いのものだけを、欲する。ご飯屋さんに入って、お味噌汁も、おかずも、漬物も、白飯も、揃っているセットを、注文する。だけど、民主主義定食をお願いしても、それは、出てこない。当たり前だけど。それは、はじめから、用意されているものではなく、僕らが、調理して、作り出さなければいけないからだ。
 民主主義とは、何なのかを考えるには、少し、問いが、大き過ぎる。(それでも、とくに、考えなくても、数ある統治制度のひとつなのだけど。)僕らは、それを採用していることによって、何を享受できているのか。いや、でも、待てよ。なにか、いいことなんて、あったのだろうか。好き勝手に、やっているあいつの方が、よっぽど幸せそうじゃないか。それならば、何のために、この制度を、守ろうとしているのか。

・再会を願う僕ら
 優しくあろうとすれば、そこに、嘘がないのかを、探してしまう。誠実でなければならないと、教えられたことはない。多くの大人は、高い能力を身につけることを、期待していたし、とくに、疑問もなかった。その他大勢を、押しのけて、成功への階段を登れと言われている気がした。でも、やはり、今、思うのは、ただ、素直であることの、希少性である。
 同じ時を過ごした、友人との再会を、願わずにはいられない。過去の、そこにいた、仲の良かったあいつの隣にいた自分は、あるべき、正しい、本来の姿だったのか。あるいは、相手を、傷付けなかったか。時とともに、あやふやになっていく、自分の輪郭を、取り戻そうとしている。だから、僕は、もう一度、君に、逢いたいと思うのだろう。それは、相手にとっては、ただの、迷惑でも、連絡せずには、いられない。大人になるたびに、愚かさが、身についていくのが、分かる。

    ★   ★   ★

 民主的であることを、自分の言葉で、説明しようとする。優しい大人でありたいと願う、自分にたどり着く。誠実な自分で、もう一度、あなたに会いたい。出来すぎた話しかもしれない。だけど、それでいい。どうせ、世界なんて、都合よく、書き換えてしまえばいいのだ。たしかに、それだけでは、不都合な真実は、往々にある。蓋をしたくなることだってある。2度と会いたくない人も、いる。だけど、ここにある良心を信じるべき理由は、消えはしない。

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動物と人間のあいだ

 もう少し、眠りたいからと、朝が来てしまったことを、忘れたように、もう一度、床につく。休日の朝。部屋のなかは、沈黙をまもり、まるで、この世の終わりみたいだ。ここから、歩き出す力が、ほしい。今、みている世界が、好きなのに、それでも、変化を求める僕は、卑しい。だけど、それでいい。ずっと、同じ場所にいると、思考は、黒い塊のように、腐っていく。

     ★     ★     ★

・どうにもならない社会で
 僕が、僕を感じたときには、すでに、周りは、決められたルールにそって、動いていた。どんなに、あがこうとも、びくともしない、それは、まるで、全てが正解のようなそぶりで、これからも、そうあり続けるのだと、迫ってくる。なんとも、あほらしい。

・それぞれの立場から
Ⅰ、そんな社会を維持していこうとする勢力。選択的夫婦別姓や、同性婚は、伝統的な価値観に、そぐわないと、反対することで、自分の特権を、保持しようとしているみたいだ。なにも、あなたの秩序を乱そうとは、思っていない。

Ⅱ、嫌気がさしながらも、現状を変えるために、声をあげる人々。僕は、ほっといても、この世界はリベラルの方向へと、舵を切るものだと、思っていた。それが、正しいのか、間違っているのかは、分からない。そもそも、どんな思想が、伝播しようと、一部の人々を、抑圧し、排除することを、僕は、よしとしない。

Ⅲ、そんな亀裂や、分断を前にして、ありとあらゆる成熟を、拒否するグループ。私は、ただ、あなたが、傍にいてくれるだけで、幸せだから。どうせ、なにをしたって、社会は、自分たちを、みようとしない。それなら、君と2人だけの世界で、生きよう。それは、それで、いいだろう。だけど、間違いなく、やつらは、やっと手に入れた自由を、狙いにくるだろう。そのときに、戦う覚悟は、できているか。

     ★     ★     ★

 もう、たくさんだ。社会の荒波に埋もれて、か弱い個人が、傷ついてくのを、みるのは。でも、あなたは、こう言うのだろう。それなら、強くなりなさい。努力しなさい。他人を蹴落としてでも、生き残りなさい。まるで、力が弱く生まれた者は、死んでも、仕方ないような、言い方だ。知っているかもしれないけど、私達は、人間なのだ。(ただの、動物とも、いえる。いずれにしろ、その間からの、言葉として。)もし、知性に、力が残っているのなら、あなたから、死にたいという願望を、けしさることを、切に、祈る。

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大学をでて、フリーターとして働いて、分かったこと

 僕は、いったい、何をしているんだろう。気付いた時には、もう、すでに、存在していた自我が、行く先を、求めている。なんのために、生きているのかという、どこかで聞いたことがある、問いかけに、向き合う気には、なれない。だけど、たしかに、そのような類いの、迷いや、絶望が、僕のなかで、濁るように、音をたてて、渦巻いている。

     ★     ★     ★

・学歴の重み
 なぜか、人は、人を、評価したがる。そのときの、材料として、学歴が、判断の基準になることを、知った。それは、たしかに、僕の一部ではある。だけど、そんなものは、僕を説明するには、とるに、たらない、一部なのだ。それなのに、まるで、それが、看板の役目を果たすように、大きな顔をする。だから、僕を、早々と、その、のれんをおろし、別の話題に、かえる。そもそも、自分を、端的に、あらわす言葉なんて、ない。もっと、複雑な人間性を、思いはばかる。それは、少し、面倒な、作業になるから、誰しもが、やりたがらない。

・さまざまな反応
 そんな学校をでて、なぜ、非正規で、仕事をしているのか。それにたいする、いろんな反応をみてきた。シンプルに、なんで?と、聞いてくる人。やりたいことを、探しているんやねという、優しさの混じった、まなざし。(いや、僕は、ここで、ずっと、働きたいんだけどとは、言えなかった。)ときには、怒りまじりで、仕事のできない僕に、ここでは、学歴なんて通用しないのよと、吐き捨てた人もいた。

・学ぶ意欲に、抗うな
 とある、社会学者の先生のトークイベントに、足を運ぶ。そこで、学校を、卒業して以来、忘れていた、感覚が、蘇る。こんなことを、深く、考えている人が、いる。どうにか、こうにか、辛辣な批判を受けようと、頭の中の思考を、発信する。それを、受けとっただけで、救われたような気持ちになるのは、僕だけなのだろうか。
 いわゆる、知識層といわれる方々の、愛にふれた感覚。(もちろん、みんなが、みんな、まともであることはない。なかには、支離滅裂な主張で、混乱をまねく、学者だって、ざらに、いる。それは、みんなが、分かっている。)もっと、社会と大学が、つながればいいのに。学校を、終えると、働くことが、ちゃんとした大人だという、抑圧。だけど、もっと、学びたいやつだっている。でも、それは、環境に恵まれた人に、限られるのが、現状だ。

    ★    ★    ★

 どうして、学ぶには、お金がいるんだろう。学びたい人が、自由に学べる社会に、なればいい。それは、短いスパンでみれば、お金の無駄だという人が、いるかもしれない。選択と集中、自己責任、効率化、世界を席巻するネオリベリズムの立場からの、声が聞こえる。だけど、ほんとうに、それが、僕らが、生き延びるための最適な解なのか。もっと、長い目でみる視点が、必要ではないか。教育や、知性を、疎かにするな。アカデミックな領域に、利潤を食い尽くす手法を、持ち込むことに、僕は、同意しない。

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また、お腹がすく

 自分の声が、かきけされていく。世界は、雑念で、あふれ、すじのとおった正義は、片隅のほうで、知らん顔をしている。人知れず、顔を埋めて、すすり泣く子どもの、痛み、絶望、乾き。愛されたいという、叶わぬ願望が、社会のなかに、輪郭を現しては、滲んでいく。澱みのない、不安定なアイデンティティーを、大人たちは、いつまで、無視し続けるんだろう。

      ★      ★      ★

・お前は、お前だから
 なにくわぬ顔で、人生の階段を、駆け上っていく友だちを、横目に、ひとり、立ちすくむ。べつに、就職や、結婚だけが、すべてじゃない。むしろ、分かりやすい幸福の形を、追い求めることは、愚かだとさえ、思う。でも、なにひとつ、うまく、できるようにならない僕を、責める傾向は、おさまらない。本質的な、不器用であることの理由を、ずっと、問い続けている。
 そんな、お前で、いいんだよという、優しさをエサに、太っていく自分は、醜い。だって、たとえ、出来損ないだとしても、自分を許したり、なんなら、いい給料を貰うことを、望んだりするんだから。それが、人間っぽくて、美しい。

・他人の言葉
 どうして、言葉を、熱望するんだろう。生きづらさを、抱えながら、どうにか、こうにか、人生をやっていく術が、そこに、隠されている。時代は、違えど、複雑な風景を、前にして、自分の、居場所を、確立していく、彼らがいた。その過程を、垣間みれる、表現との出会いは、合理性を、追い越して、感情を、ゆさぶってくる。

     ★     ★     ★

 どうしたって、また、お腹がすく。エネルギーを摂取しなければ、死んでしまう。それが一応、ルールとして、ある。どうして、人間は、光合成できないんだろう。他の命を、殺してしまわなければ、生きていけない、罪やトラウマは、虚しく、心の何処かに、居座っている。

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肥えても、なお

 自分を、表現しようとする。はたして、その自分とは、何者なのか。大学を、でて、フリーターになる。そんなやつは、どこにでもいる。その集団において、僕は、なにか、特別なものを、持っているのか。どこが、他人と違っているのかを、模索する。いわゆる、差異化である。
 ところで、自分は、なにか、他者とは違う特性があると自負する、人間の、愚かさを、目の当たりにする。それは、努力によって、手にはいるものなのか。人生なんて、ある意味、自分の存在の非意味を、知っていくことに、他ならない。なんの意味もない自分。だけど、愛おしい、自分。いわゆる、僕は、くそな大人だということに、すぎないのである。

    ★     ★     ★

・みんなが知っている類いのこと
 王道とか、スタンダード、一般的なこと。いわゆる、みんなが知っていて、はずれのない事柄。はじめのイントロだけで、誰が歌っていて、サビの歌詞まで口ずさめる曲。それを、聞いているときに、感じる、安心感。僕は、流行に乗っているとでも、思いたいのだろうか。たまに、毒っ気のある、あくの強いものが、欲しくなる。誰にも、知られることのなかった、ゴミ扱いされた、がらくたな言葉たち。そこの落ちている、頭のおかしい宝物。そういうものを、僕は、愛していきたい。

・自由を奪われる快楽
 世界は、複雑なのだ。人間にしても、景色にしても、思想にしても。選択肢が、多いことは、可能性に満ちているといえる。でも、それだけ。そこから先に、幸せが、訪れることと、同意ではない。いっそのこと、僕が、いま、保持している自由を、奪ってほしい。縛られることのない命は、どこか、寂しい。でも、人間は、愚かだから、一瞬の快楽を得ても、また、やっぱり、自由を、求めるんだろう。

      ★     ★     ★

 肥えても、なお、ふくれあがる、欲望のかずかず。その在り方を、明らかにしよう。だって、他者の身体に、欲情する気持ちも、美味いものを貪りくらう食欲も、本当に、誰しもが持っているのかさえ、分からないんだもの。自慰行為をしない人間だっている。だから、この世界に、あたり前は、ない。この国のことしか、分からない僕は、これから、もっと、もっと、いろんなことを、知っていける。そのときに、感じる、まばゆいエクスタシーを、愛と呼ぶことにする。

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有限を知らなければ、自由になんて、なれない

 ここに、文章をかくことは、僕の、思う通りのままだ。何を、記そうが、何を、隠そうが、ありのままを、表現していく。だけど、もし、それ以前に、自分の、階層だったり、ジェンダーだったりが、内容に、影響していると、仮定する。それは、まあ、なくもない。だって、頭のなかで、繰り広げられる、思考や、考えは、すべて、生まれ育ってきた、環境と、密接に、つながっているから。どうやら、僕たちは、しらずのうちに、この世界に、閉じこめられてしまったらしい。

       ★     ★     ★

・自分の見つけ方
 路上で暮らす人。彼らを、横目に、家路につく。どうやら、今日の寝床に、困ることは、なさそうだ。そうやって、他者と、比較することことで、自分の立ち位置を、確認する。それ以外に、自分を、知る方法は、ない。本当の自分とか、本質的な自我というものは、はじめから、諦めてしまう。心とか、気持ちとか、あやふやな、それらは、結局、内部のことなのだ。外側に、表出されなかった、断片的な感情は、ゼロに等しい。空気に、ふれた瞬間、言葉たちは、鮮やかに、色づいていく。

・準備は、できている
 男としての、自分。なんの意味も、もたない権力。不均衡な、パワーバランス。例えば、女性が、意志決定の場に、いることは、ふさわしくないと、少しでも、よぎってしまうなら、それは、かえていかなければならないことの、ひとつだ。男性が、背負っている、重圧。何なら、今すぐ、それを、手放してしまえばいい。責任とか、使命なんて、いうものは、呪いにちかい、産物だ。そして、もし、誰かが、役目を、果たさなければ、ならない場合、あるいは、その順番が、女性であったなら、彼女たちは、こう、いうべきだろう。「私達の、準備は、できている。」

     ★     ★     ★

 なんでも、手に入る。どんな、自分にでも、なれる。ただ、そこに、あるのは、きっと、空虚にちがいない。僕らは、少なからず、社会の構造に、縛られている。(あるいは、性別や、国籍や、年齢と言ってもいい。)でも、だからこそ、「解放」という、瑞々しく、きらびやかな、人生に、出会うことができる。有限を、認知することで、手にする、自由。たぶん、それは、くそみたいな現実に、対峙する、手助けになる。僕が、僕でいる、理由は、きっと、もう、すでに、受けとってきた贈与の中に、存在している。

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神の死

 この社会で、起きていることを、明確にしようとする。その方法は、多くある。どれも、的外れかも、しれない。結局は、断片的なデータを、積み重ねて、全体を見通して、普遍化なり、一般化をしていく。だとしたら、僕らは、今、何を知り、何を、知らないんだろう。歴史を辿ってみることで、輪郭をあらわす、現代。この世界は、果てしなく、混沌としているみたいだ。

      ★     ★     ★

・やられっぱなし
 悪者は、だれなんだろう。分断をあおり、差別を助長する、トランプなのか。資本を独占する、大企業なのか。あるいは、職場で、嫌みばかり言う、上司なんだろうか。どこに、批判を、ぶつけても、あまり、しっくりこない。どれも、ただに、ひとつのパーツに、すぎないからだ。問題は、全体を、取り囲む構造に、ある。意図しないけれど、システムの中に、いるかぎり、支配する側と、される側に、わかれる。たとえば、労働者階級の、僕らは、闘争という言葉を、忘れてしまい、やられっぱなしに、なっていないか。

・バイオレンス
 雇われて、働いて、賃金をもらう。嫌でも、そうしないと、生きていけないからだ。「おまえを使わなくても、代えは、いくらでもいる。」そう言って、金持ち階級は、資本を増大させるために、限界まで、人件費を削る。本来なら、働いた分の、同等の価値を、貰えるはずだ。だけど、同じことをしているのに、自分の労働力が、安く、買いたたかれる。まるで、希釈された、暴力みたいだ。僕の、価値って?もし、市場で、値がつかなくても、もとからある、誰にも汚されない、価値に、気付けたら。だけど、みんなが、知っているように、世界は、そう、甘くない。

   ★     ★     ★

 漠然とした、不安。言葉に、すれば、ただ、それだけ。だけど、それは、人生に、重く、のしかかってくる。ほんとうは、すべてのことが、死ぬまでの、退屈しのぎに、すぎない。それでも、深く、考え込んでしまう、真面目な、あなたに、伝えたいことを、述べてきた。「神は死んだ」と、ニーチェは、言い残した。それから、時は流れ、人間は、どこを、目指して、何を、手に入れたんだろう。もし、ここが、暗闇なら、あなたは、光の方へ、進んでいくべきだ。僕は、そう思う。

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ノット・ギルティ

 都会の片隅で、ひっそりと、消えそうな灯火を頼りに、明日を待つ。目的なんてない。意味を、見出そうとする、意欲さえ、枯れ果ててしまった。もし、救いが、あるとするなら、まだ、誰も踏み入れていない領域を、侵す瞬間に、存在する、野望だ。七色の光に、包まれた、荒野は、ただ、まばゆい。
 辿り着いた場所は、何もない空白のくぼみだった。僕が、いま生きているところは、時間軸をも、越えてしまいそうだ。たとえ、息ができなくとも、もがきながら、歩く。助けを求めたけど、返事はない。
 
    ★    ★    ★

・自分から離れる
 いったい、どうして、生きづらいのか。こういう環境だから、仕方ない。周囲の人間が、嫌なやつばかりで、どうしようもない。貧乏で、希望を持つことさえ、ままならない。親が馬鹿だから。おうおうとしてある、ファクターは、時間とともに、自らに、はね返ってくる。本当は、ただ、ここにある、自分の存在が、疎ましいだけなんだ。そう、気付いたときに訪れる、死んでしまいたい衝動。けれど、あなたは、生きるべきだ。
 自分から離れることを、望むことは、悪ではないし、罪でもない。というか、本当は、娯楽も、欲望も、恋愛も、労働も、根幹にあるのは、自我の消滅を、望む声だと、僕は、思っている。自分が、無になる、刹那的な時間。それほど、心地いいものはない。

・「共同性」とは
 学校や、職場で、出会う人たち。それは、(僕にとって)絶対に、切り離せないものでは、ない。頻繁に、連絡することもない。地元に、縛られるという感覚への、不理解。そこが、つらいなら、どこか、ちがう場所に、行けばいいなどと、思ってしまう。けれど、家族だったり、友人だったり、その人間関係に依存しなければ、生きていけない現実も、ある。
 「共同性」という、言葉に、ひっかかる。それって一体、どんな意味なんだろう。たぶん、それは、秩序を保つための、道具なんだと思う。みんなと違う行為や、他人の尊厳を傷つける行いを、してはいけない。社会化されていくことに、なんの、疑問を抱かないなら、それでいい。だけど、まともな、礼儀正しい振る舞いが、できない人間を、コミュニティから、排除していく。そこに、問題が、ある。

    ★    ★    ★

 いっそのこと、自分は、一人で生きて、一人で死んでいけますということを、明言できたら、楽なんじゃないか。そういう人生も、ありなんじゃないかという、可能性を、捨てない。許容できる範囲を、拡げていく。価値観が、多様になる。もし、知というものが、あるなら、それは、今に、絶望している人のために、使われるものだと、僕は、思っている。

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野蛮なことに、立ち向かう

 僕が、何を考えているのかが、つつぬけになるとき、それは、世界と、自分が、混ざりあう瞬間だ。欲望も、傲慢も、知性も、すべてが、溶けて、にじみ出てくる様は、滑稽で、それでいて、美しい。それでも、本当の、奥底にある、自我(みたいなもの)は、他人に、さらけ出さず、隠して生きている気がする。孤独を包む牢獄を、開く術をもたない者ほど、人生は、深みを、帯びていく。

     ★      ★      ★

・内側と外側
 ここに、文章を、つづる。それは、いっけんして、僕の内部について、語っているのかもしれない。心の動きや、感情の波を、観察しながら、湧き出てくる言葉たちに、寄り添う。でも、よくよく考えてみると、その作業は、外側の世界を、必ず、反映しているのだ。いま、目に映る景色、複雑な社会、薄っぺらい世相、その全てが、フィルターを通して、再び、構成されていく。つなぎあわされた二つの領域は、加速度的に、変化していく。そうやって、ひっそりと営み続けてきた、生き物は、はかない夢を見る。やがて、滅びゆく定めを、受け入れることは、そう、難しくはない。

・望みを叶えること
 将来、こうしたいという、願望を、抱く。それを、追いかけながら、努力していくことの、全てが悪いとは、思わない。だけど、あるとき、冷静になって、立ち止まる。まだ、歩み始めたばかりの自分が、思い描いていた未来に、振り回されるのが、阿呆らしくなる。望みを叶えることに、執着しなくていい。むしろ、あのとき、死ぬほど、手に入れたいと思っていたものが、実は、たいして、欲しくないものに、変容していく。人生なんて、そんなものだ。

    ★      ★      ★

 結局、僕が、これまで一貫して、思考してきたのは、「命の価値」についてなんだと思う。もう、気付いてるかもしれないけど、社会は、不躾に、あなたの価値を、決めようとしてくる。例えば、ホームレスのおっちゃんが、ひとり路上で死んでいく。それは、ただ、それだけの最後を、迎えることしかできない人間だからなんだと、決めつけるみたいに。裕福な生活をするのは、それに値する者だけで、いい。
 べつに、底辺で暮らしていたからって、孤独死をしようと、その人の価値を、他人が決めることは、できない。何が、その人にとって、幸せだったのかは、分からない。じつは、こうして、普通であることに、憧れ、規範から逸脱することを恐れながら、のうのうと生きる、僕なんかより、はるかに豊かな人生だったかもしれない。

・最後に
 僕は、そんな、くそみたいな世界に、ざまーみろって、言いたい。権力の側にいる人が、羨ましくなるくらいに、他の人には、分からない、自分だけの幸福を、みつめながら、しれっと、生きぬいてやりましょう。それが、唯一の、野蛮な考えに対する、抵抗なのだ。

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渦を巻く貝殻

 いま、僕が、世界を感じているふうなこととは、まったく違うように、だれかがこの世界を、感じている。どうせ、お互いが分かりあうなんてことは、できないのだからと、平行線をたどる。結局は、生き方の対立だから、そこに正解はない。それなのに、どうして、こんなにも、他者を必要とする、自分がいるんだろう。くそみたいな社会に、怒りを覚えると同時に、そこでしか生きられないことが、重く、のしかかってくる。

     ★    ★    ★

・くだらないこと
 たとえば、女性が、性について、オープンに語ることを、よろしくないという風潮があるとする。そのルールを世界が、黙認している。だから、革命を起こそう。だけど、空っぽ頭の男は、こう言うだろう。「それなら、俺とセックスをしよう。」それを、先読みしているから、私達は、声を上げることができない。言いたいことを、心に押さえつけて、抑圧されながら、過ごす日々を、もう、終わらせよう。
 だから、あなたは、こう言うべきだ。あるいは、アダルトビデオにでてくる女性たちの、快楽に浸る姿は、女性の、一部分かもしれない。だけど、その一面をみせる相手は、お前ではない。お互いを、尊重できること、対等に、向き合えること、そんなあたり前のことが成立したうえで、関係は、保たれる。女性は、ただの性欲のはけ口ではない。都合のいい存在でもない。自分の意見を言うことを、ためらわなければならない瞬間は、とてつもなく、くだらない。

・深海に沈むもの
 僕は、社会というものは、生きやすいように、変えていかなければならないと、心底、考えてきた。だけど、全員が、そう思っているわけではないんだなと、最近、知った。現状を維持しようとする人が、一定数いる。少なくとも、それに、異議を唱える行為を、ないがしろにしたくない。男性が、持っている特権や、マジョリティーが決めた規範が、支配する世界に、抵抗する。
 いつからか、つねに、なにかしらの答えを、探しているような気がする。不安や、孤独から、解き放たれた人間は、次に何を望むんだろう。これまで、見つけてきた解答が、邪魔になる。だから、それを、捨てる。そして、また彷徨う。その繰り返しのうちに、人生は幕を、おろす。それならば、自由という、途方もない、宇宙の果てみたいな、不確かなものは、いっそのこと、深海に沈めばいい。

      ★    ★    ★

 気付けば、思考の渦に、いる。中心に向かって、強い流れのまま、勢いを増して、突き進むそれは、まるで、螺旋状の貝殻だ。そこで、息をするのは、困難を極める。僕は、こらえるように、そこに、自分の意志で、居続けること選択する。そのとき、考えなければいけないことなのかは、分からない。でも、たしかに、僕の頭の中で、めぐる、戯言は、こうして、ひとつの形になって、発信される。問題意識や、社会への関心を、失いたくない。なんだかんだいって、この世界が、好きなんだ。