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詩的表現

エンピリカル

理解できない他者がいる。

すぐ隣の楽園や、とても遠い地獄のなかに。

僕らの解釈はいったい、どこまで通じるのだろう。

起こった事実にたいして、

どんなふうに考えても、納得できないことがある。

理解の範疇を越えて、突き抜けて奇妙な物事は、

きっと世界のどこかに存在している。

もう、考えることを一旦やめにしないかと、

孤高の旅人が諭す。

思想や、哲学を好む者が、好き勝手に

言葉をばらまいていく。

そこには、なんの整合性もない。

せめて、エンピリカルな方法で、決着をつける覚悟が、必要だ。

話すことのなさに、迷ったなら、

過去に立ち戻るといい。

自然と、もといた場所に誘うように、

時間が道標となる。

君にも聞こえるだろう。

魂の浄化を待ちわびる、死者たちの叫びが。

その声を胸に抱きながら、闇に潜むあなたを待つ。

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By 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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