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日常・コラム・エッセイ

そんな日はこない

 人生でこんな日を迎えるなんて。あの頃の泣いてばかりいた僕には、想像ができなかっただろう。同棲を始めて約1年経ったパートナーにプロポーズをしました。事情を知ってくれている店主に花束を預かってもらい、ディナーの後にサプライズで薔薇を渡す。愛を誓うなんて、かっこのいいものじゃない。ただこれからも一緒に生きていきたい思いを告げる。それはこの慌ただしい社会の歪みにできた、幸福の欠片。

 男2人の暮らしは、この先どんなふうに変わっていくんだろう。いまここにある何気ない日常の先。楽しいことばかりじゃない。未来を想像できない、ほんの少しの不安を覆い隠すように、冬めいた曇り空が流れていく。隙間から覗く晴れ間は、なんだか永遠の象徴みたいだ。でも誰しもが理解しているように、生(せい)というものはいつか途切れて終わる。

 仕事に追われ、せかせかと過ごす毎日。それでも幸せを積み重ねていくことくらいしか、出来損ないの僕らに手立てはない。同性愛に対する偏見を、まじまじとみつめる自分の瞳は、あとどれくらい傷ついたらクリアになるんだろう。涙で前が見えない。そんな日もある。でも世界が多様であることを知っていく過程の中に、希望の光がある。「普通」を乗り越えていく。その決意として。

 ここに文章を綴ることで、何かが変わるとは思わない。リアルタイムで世の中が動いていく。現にいまこの瞬間、死にたくなる気持ちを抱えながら生きている人がいる。人の何かが、変わりたいと切望するパワーをいつも求めている。その場所が窮屈に感じるあなたの感性は、何も間違ってない。時間が経つことを恐れるな。選択をすることが、環境や状況を変化させる。

 僕よりも若い人に何かを届けていくために、幸せを実践していく様子を発信する。いつか他人が自分を認めてくれる日を待っていても、そんな日はこない。だから絶望の中でも、生きれる。舵を切るハンドルは、僕の中にある。見たこともない景色や、感じたことのない気持ちを待つ。プロポーズの日に2人で撮った写真を、笑顔で眺めてくれる母親に感謝を込めて。

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