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社会の出来事

残像と生きる

 どこかの国が戦争を始めた。間抜け面で見ていたスマホの画面が、それを報せる。どうせやはりなんの落ち度もない子どもが犠牲となる構図を辿る。歴史的な局面を迎えた時、僕らは何を思うのだろう。

 トランプを大統領に選んだのはアメリカ国民だから(全員なわけではないし、もちろん反対する人もいる)、ここ日本で暮らす自分たちには関係ない。はたして、そう言えるのか(高市政権を選挙で勝たせたのだから嘆いてばかりもいられない。そして何度も言うが、過半数の議席を占めたからといって、反対意見もあるしすべての政策に国民がgoを出したわけじゃない)。民主主義が、宇宙に舞う。

★★★

・答えはもう、ある

 お互いを理解することの不可能性。結局、自分と同じ部分を相手に見つけることで安心し、自分と違う部分が相手にあることを許せないのが人間ということか。個人と個人のつながりだけでは、お前の欲望を満たせなかったのだろう。だから、国という大きな枠組みを持ってきて、自らの権力をふるう。それを暴力だと批判することはありきたりで、愚かなことなんだろうか。

 利権を争うであるとか、領土の取り合いであるとか、そんなことはもうどうでもいい。マクロ的な世界の流れの中で、小さくてちっぽけで無力な個人(つまり私たちのことだ)が痛めつけられる風景には見飽きている。傷つきすぎて、もはや涙もでない。となりにいる愛すべき人を守ることでもう精一杯だし、そうすることが幸せの意味であることは、もう分かっている。

・若者へ言葉を送るとしたら

 自分だけが幸せになる。そんな願いはいとも簡単に叶う日本で。そんな力や能力をたやすく手に入れれる情報社会で。何を求め何を欲しているのかさえ、あやふやで複雑すぎる世の中で。可能性が無限にあり、何を選択すべきか正解を強いられる窮屈な教室で。今を生きることでしか育めない感性を研ぎ澄ませ。スマホの液晶が照らすライトで目が覚める朝、空爆で命を落とす民衆がいる。

 結局、いま感じている自分が永遠と続いていくのだということくらいしか、僕には言えない。きっとお金を稼ぐようになる。セックスも経験するだろう。お互いを大切に思うパートナーに出会うし、悲しいこともある。親はいつか死ぬだろうし、幸せなこともある。世界で誰とも違う誰かになることを楽しむ夜は、愉快かもしれない。だから、安心して他人に優しくすればいい。

★★★

 ここに綴る文章は、誰に向けられているのかを考える。あるいは、今生きているこの世界は、誰によって意味付けられるんだろう。究極的には、それは死者だと思う。僕らは死んだ人間に言葉を送り、死んだ人間によって人生を深く掘り下げられる。いわば、あの世で暮らす者の残像と生きているのだ。一刻も早く戦争を終わらせよ。どうせこんなメッセージはお前には届かない。せめて犠牲になった子どもたちへの鎮魂の祈りを込めて。

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By 木下 拓也

1987年、大阪生まれ。ライター志望。
兵庫の大学を卒業してから、フリーターとして働いています。
セクシュアリティーは、人生を豊かにすると信じる人間です。
書いて、伝えることを大切にしています。

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